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テーパー(調整期)方法のコツ 多数論文参照

調整期にどのようにするべきか。という質問を受けましたので、参考にしてください。

<テーパーって何?>

水泳のシーズンは、目標としている大会に向け、トレーニングの強度が落ちていくテーパー期に頂点に達します。

一般的なテーパー方法になります。

<テーパーの効果>

1.最大酸素摂取量の増加

2.筋力とパワーの向上

3.筋肉中のグリコーゲン量の増加

<テーパーの意図>

目標のレースまでに肉体的、精神的、感情的なス トレスを減らすことで、テクニックやレース戦略の向上へ調整していくことにあります。

しかしながら、多くのコーチとスイマーがテーパーを過度に重要視し、良いテーパーを組めれば1年の構造を欠いたトレーニング計画であったり、質の低いトレーニング内容を補えると考えることすらありますがそうではないようです。

スイマーはしばしば、重要レースで悪いタイムが出た時、

「テーパーを失敗した」と嘆き、シーズンを通したトレーニングの失敗であるはずの低調なパフォーマンスを、全てテーパーが原因だと考えます。

テーパーを重要視し過ぎることは、一般的なトレーニング哲学に反します。

テーパーの根底にあるのは、非常に高いストレスを肉体にかけてきたという前提の上で、回復期間を必要な期間設けること。

正しく設計されたトレーニング計画には必要とされる休息が構造的に予め組み込まれており、

極端な疲労を起こさないはずです。

年間を通し高いレベルでのパ フォーマンスでレースをできるよう準備をし

テーパーは最高のパフォーマンスを引き出すための追加的な休息という位置付けです。

<テーパー計画ポイント>

・テーパーは水中パワーを約25%増大させ、結果として水中速度に5%の向上がある(導き出された5%はレース直前要因も含む)

・典型的なテーパーは期間として1~3週間設けられる

・テーパーの期間は、これまでのトレーニングを含めて、いくつかの要素で決定するが、スプリンターのような高い強度でのトレーニングを積んでいる者は、ディスタンススイマーのような高強度未満のトレーニングを積んでいる者に比べ、長いテーパーを必要とする。

・テーパーの期間中、水中でのトレーニングのボリュームは減らす一方、強度は落とさないことで水中パワーと動作効率を維持させることができる。テーパーを通してトレーニングボリュームを90%落としつつ、強度を保つことで最良の結果を出すことが可能。

・テーパーを遂行する上で、トレーニングのボリュームを緩やかに減らすと、急激なトレーニング距離の減少を用いるテーパーに比べより良い結果を期待できる。

・いったんテーパーを開始したら、追加的な肉体の生理学上の向上を期待することはできない。パフォーマンスレベルの向上の全ては、強化期間に培ったベースから生まれる。

・一般的に、女性選手に必要なテーパー期間が男性選手より短い。

・年長選手は若い選手に比べ長いテーパー期間を要する。

・トレーニングボリュームの減少に伴い、エネルギー消費も減るため、摂取する栄養のバランスを考慮し、食事を調整する必要がある。

・ 水中での感覚はパフォーマンスの良し悪しを決定する要素にならないことを念頭に置くべき。多くのアスリートが経験する感覚が良い結果に直結すると考える が、感覚に関係なく計画的にデザインされたトレーニングを積んでいれば、望む結果として表れる。テーパー中の体を自動車に例えれば、エンジン点火直後は激 しくガタつくが、望む速度で走行してくれるということ。

○参考分析

1.Jeukendrup A. E. et al. Physiological changes in male competitive cyclists after two weeks of intensified training. Int. J. Sports Med. 13:534–541, 1992.

2.Margaritis I. S. et al., Antioxidant supplementation and tapering exercise improve exercise-induced antioxidant response. J. Am. Coll. Nutr. 22:147–156, 2003.

3.Neary J. P. et al., Effects of different stepwise reduction taper protocols on cycling perfor- mance. Can. J. Appl. Physiol. 28:576–587, 2003.

4.Hooper S. L. et al., Effects of three tapering techniques on the performance, forces and psychometric measures of competitive swimmers. Eur. J. Appl. Physiol. 78: 258–263, 1998.

5.Johns R. A. et al., Effects of taper on swim power, stroke distance, and performance. Med. Sci. Sports Exerc. 24:1141–1146, 1992.

6.Walker J. L. et al., Dietary carbohydrate, muscle glycogen content, and endurance performance in well-trained women. J. Appl. Physiol. 88: 2151–2158, 2000.

7.Neary J. P. et al., Effects of taper on endurance cycling capacity and single muscle fiber properties. Med. Sci. Sports Exerc. 35:1875–1881, 2003

8.Bosquet L. J. et al. Effects of Tapering on Performance: A Meta-Analysis. Med. Sci. Sports Exerc. 39: 1358–1365, 2007

9.Mujika I. et al., Swimming performance changes during the final 3 weeks of training leading to the Sydney 2000 Olympic Games. Int J Sports Med. 23(8):582-7. 2002

10.D・サロ「コンプリート・コンディショニング・フォー・スイミング」


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